PALS(パルス)は、小児(患児)を題材に、人が死に至る仕組みを理解し、それを未然に防ぐための認知スキルを鍛え、BLSならびにナースでできる安定化の介入までを習得するアメリカ心臓協会AHA公式プログラムです

AHAインストラクターとは

AHAインストラクターになるのは、難しいことではありません。プロバイダーマニュアルやDVD、そしてインストラクターマニュアルなど、教育学に裏づけされた優れた教材にバックアップされていますので、誰でも比較的容易に指導を行うことができるようになっています。

日本PALS協会では、独立してAHA ECC講習を開催していきたいという熱意がある人に対して、AHA公認インストラクターコースを開催し、自主開催までをバックアップしていきます。

これまでの日本のAHA活動拠点(トレーニングサイト)では、サイト単位での活動をサポートするインストラクターを育てるという方針が中心だったかと思いますが、日本PALS協会ならびに日本医療教授システム学会AHA国際トレーニングセンターでは、一人一人が独立したインストラクターとして、講習を個人で企画・運営し、地域や自施設で講習展開していくことを基本方針としています。

日本PALS協会が提供するAHAインストラクターコース

日本PALS協会では、日本医療教授システム学会AHA国際トレーニングセンターJSISH-ITC)と提携して、下記のインストラクターコースを開催、インストラクターの認定、トレーニングサイト設立支援を行えます。

  • BLS Instructor
  • PALS Instructor
  • PEARS® Instructor

また、求めがあれば、ACLS Instructorコース、Heartsaver® Instructorコースの開催も可能です。

インストラクターになるための条件

まずは取得しようとするインストラクター資格で指導できる最上位のプロバイダーカードを提示できることが条件となります。

BLS Instructorなら、BLS Provider、PALS InstructorならPALS Provider、PEARS® InstructorならPEARS® Provider資格が必要です。これはクラスルーム形式でのインストラクターコース受講日の時点で有効期限内であることが必要です。

また、BLSインストラクターは16歳以上であることが求められています。医療従事者免許は必要ありません。

PALS/PEARS®インストラクターは18歳以上で、二次救命処置が職務範囲にある専門職者であることが規定されています。

インストラクターになるためのステップ

インストラクター志望者は、所属を希望するトレーニングセンター(ITC)に意思を伝え、提携許可を取ります。その過程で次回開催されるクラスルーム形式のインストラクターコースの開催日程等が示されます。具体的には、ITCか日本PALS協会、もしくは最寄りの活動拠点までお問合せください。

クラスルーム形式のインストラクターコース受講の日までに、Instructor Essentials onlineと呼ばれるインターネット上での e-Learning コースを修了する必要があります。

Instructor Essentials onlineは、取得したいインストラクター資格毎に別個のものが用意されています。詳しくは www.onlineaha.org を参照ください。言語は英語のみで、掛かる費用は$30です。クレジットカードが必要です。

クラスルーム形式で行われるインストラクターコースは1日コースです。Instructor Essentials onlineではカバーされない、指導方法や実技試験の練習を受講者同士で行います。修了試験として25問の筆記試験があり、84%以上の正答が求められます。

インストラクターコースを修了後、実際のプロバイダーコースで、インストラクター候補者(Instructor Candidate)として、指導経験を積みます。そしてファカルティ(Faculty:インストラクター・トレーナー)によるモニター評価を経て、インストラクター認定が決定されます。AHA公認インストラクターカードが発給されるのは、その後です。

インストラクターとして独立まで

受講者に対する指導ができることが確認できれば、モニター評価を合格とし、インストラクターカードが発給されます。しかし、それだけではAHA公認講習の運営・開催はできません。

講習開催には、会場確保、受講者からの申し込み受付から受講日までの連絡調整、経理、プロバイダー発行申請のための事務作業、他のインストラクターとの連携など、多岐に渡る複雑なプロセスが必要です。

インストラクション技術を磨いて一定水準に達した後は、そうした企画・運営の経験を積み、最終的には個人企画として講習会を開催していただきます。

その実績を持って、独立インストラクターとして認定されます。